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一日ワイフ

「ようこそ、いらっしゃいました♪」
「ああ…」

この日、レザードの住居(例の如く塔である)にレナスが「嫁いで」きた。
「一日限定」という条件付きだ。

その原因は、数日前に2人が行ったゲームにある。

神界では、「ツイスター」がちょっとしたブームになっていた。
そのゲームでレナスは連勝に連勝を重ね、波に乗っていた。

レザードに与えられた身体…
つまり、ホムンクルスは、かなりの柔軟性を持ち合わせていた。

ありとあらゆるポーズをとれるその身体で、レナスはツイスターをエンジョイし
ていたのだった。


そして、酔ったかの如く暴走したレナスは、
「レザード、私に勝ったら一日妻になってやるぞ?」

失言したのだった。

そんなあまりにも美味しすぎる話にレザードがのらないわけがない。



こうして2人のツイスター対決が勃発したのだった。


この2人はお互いに、「相手の陣地を奪ってやろう」作戦をとっていたらしい。
2人の距離がどんどん面白いように縮まっていた。
その上、ゲームのねらいどおり2人とも少し辛い体勢に……


とうとう2人の勝敗をわける陣地が発生、
レナスの左斜め奥、
レザードの右斜め奥
にある緑色の陣地だ。


主審フレイが「緑の左手!」
と言った瞬間、
2人の左手が緑の陣地めがけてのびる。

体勢的にレナスが有利に見えたが、レザードはここで
レナスの耳に息を吹きかける……

という反則的行為を行い、レナスが驚いて硬直している間に
見事緑の陣地にタッチ。

レナスは無残にその場に崩れ、
どこで覚えたのか酷い悪態をついていた。


こうしてレザードは、
変態プレー…もとい、頭脳プレーをもって、勝利をおさめたのだった。



レザードが勝ったので、レナスは一日レザードと夫婦のちぎりを結ばなければな
らないハメに…

自業自得である。



「ではレナス、用意はいいですか?」
「わかってる。」


レナスを室内に招き入れることなくレザードがポケットから取り出したものは、
何かの箱である。

これはレザードのこだわりだ。
結婚式を正式に挙げることができないかわりに、
指輪交換だけはしたい、と…

チョット乙女ちっく。


レナスも予めレザードから手渡された箱を取り出し、
お互いに指輪を手にとる。


この指輪は、財産少ないレザードがかなり悩んで買ったものだ。
ダイヤをつける…ことはできなかったので、
シンプルなシルバーの指輪を選んだ。


レザードのセンスはなかなかいいものらしく、
少し細目のその指輪は、ガラス細工のように華奢なレナスの指に、目立ちすぎる
ことなくしっくりと合っていた。

「その指輪は本当に差し上げます。」
こんなシンプルな指輪も、レナスがはめればとても上品だ。
レザードは満足げに頷いた。

レナスは少し頬を赤らめて、
「ありがとう。」
と言った。
そして、今度はレナスがレザードの手をとる。


柔らかな肌の感触に、レザードはどきりとした。
いちいちこんなに過剰に反応していたら、気が持たないな、とも思った。
レザードは気を取り直して、レナスが自分にはめさせようとする指輪を見た瞬間
、驚愕・・・。

「レ、レナス!?それは無いでしょう!!」
「あ、バレた?テヘ♪」

ディメンションスリップだった。
危うい危うい。

レナスは指輪をはめ直すと、
「もう満足だろう?勝手に部屋に行くからな!」
レザードより先に中に入ってしまった。


この塔内で幾度と無く迷った経験のあるレナスは、塔の構造を熟知していた。
オマケに先ほどのディメンションスリップがあったので、レザードが片づけ忘れ
たアンデットを気にすることなくレザードの部屋にたどり着いた。


反対にレザードは、迷ったりアンデットに襲われたりと、相当苦労した。


初めてレザードの部屋で2人が2人きりになる。
しかも、敵対ではなく、夫婦の関係で…だった。

レザードの気分は、
見た目には現れないが、
天にも昇る様にハイだった。

つづく。

ツイスター・・・
児童センターでよくやったものです。
大人がやるのってきついかも。


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